23
11月

看護師は優しすぎてもいけない

看護師は優しいものと思っている人は少なくないでしょう。それもそのはずで、人に対して情を持たない人が、病気や怪我で苦しんでいる患者さんを看護することなどできません。入院病棟などでは、患者さんの生活の世話、それこそ下の世話までしっかりやらなければなりません。優しさの無い人ではそこまではできないでしょう。
しかし、時としてその優しさが、看護師には向かない要因として挙げられることがあります。これはまさに、一般的なイメージとは真逆のことです。

どうして優しすぎるひとは看護師に向かないのでしょうか。看護の現場は命の現場です。その中で、残念ながら命を落としてしまう患者さんも多くいます。少なからず関わりのあった人の死は、当然ながら心に大きなショックを与えます。しかし、だからと言って知っている患者さんがなくなるたびに強いショックを受けているようでは、看護師の仕事は勤まりません。また、看護を実践する上で、ある特定の患者さんに肩入れをしてしまうと、大事なところで容態や状況を見誤ってしまうこともあります。そうなってしまっては本末転倒というものです。こうしたことを防ぐためには、一定部分以上のことは仕事と割りきってしまうしかありません。あまりにドライになってしまっては、周囲から冷徹と思われてしまうので良くありませんが、必要以上に患者さんにべったりとなってしまうのもいけません。さじ加減は難しいかもしれませんが、看護にあたってはあくまでも看護師と患者であるということを自覚して、適度な距離を保つようにしましょう。そして、冷たくなってはどうしようもないので、ほどほどに患者さんに優しく接するように心がけましょう。

患者さんに寄り添うのは大切なことですし、共感するのも良いことではありますが、度が過ぎると患者さんと気持ちがシンクロしてしまい、患者さんがネガティブになると、あなた自身もネガティブになってしまうかもしれません。そうなると看護師としての仕事に差し障りが出てきます。本末転倒です。どの程度までなら良いのかというのはなかなか判断がしにくいものですが、こういう時こそ先輩看護師の患者さんに接する態度を参考にすると良いでしょう。とはいえ、生まれ持っての性格というのは、そうそう変わるものではありません。もし、仕事の上でつらいと感じるようなことが多く、それが長く続くようであれば、配属替えを希望するのも良いでしょう。